宿を突然始めた日々。その4
55は宿を経営した事は無かったので初めてのお客さんがシングルでしかも15泊の香港人と言うのも勿論初めての経験。
今から思えば15泊一人で泊まるのはちょっと普通ではないお客様でしたね。
もちろんその時は初めてのお客様ですからね嬉しかったし出来る限りのおもてなしをしたんですけど何日か経過すると広い館内にウーさんと55しか居ないんですからちょっと距離感が慣れてないせいか難しかったんですよね。
ウーさんの来日目的は日本語の習得で普通の観光客とは目的が違ったので一日中宿で辞書を引いたりして過ごすというパターンで55は宿業に慣れて居ないのですからウーさんを放置して出掛ける事も出来なくてかなりしんどい展開でしたね。
「ウーさん!日本語の勉強なら外に出て日本人と話さないと!」っと誘ったりしては宿から連れ出して出かけましたね。
今だったら絶対に出来ない事です、、、
予約自体も今の55ならたぶん受けなかったですね。
もちろんこの後お仕事で泊る職人さんが数か月泊ったりするのですがシングルで15泊というのはウーさんが歴代長期宿泊日数記録を今も保持しています。
安宿の場合はずっと一日中館内に残られるのはあんまり歓迎されないです。
宿の売買契約に関しては売り主側の相続問題のこじれで伸びてしまい年内にハンコをおして晴れて自分の名義になるのは先に延びる事になりました。
金銭を一円もまだ受け取っていない売り主が55に実質的な経営権を渡してくれたのはあんまり例の無い事なんでしょうね。
もちろん売り上げもすべて55のものですし、万が一正式な売買契約を完了する前に火事などが起きないとも言えないですしね。
売り主さんと良好な関係を築くのも売買には大切なんですよね、
しかし先延ばしの売買契約、これが後に大きな問題を生むのですが、、、
うーさんからいただいた思い出の1ドル札は今の宿の壁に貼ってあります。
時々眺めながら初心を思い出す55です、、、