攻めまくるAIRBNB! 民泊など宿泊業の支払いについてあなたの知らない事。
様々な画期的なアイデアでエアビーが既存宿泊業に攻勢をかけている。
先日の記事では民泊を出来る不動産物件を貸した大家さんにはその民泊が売り上げる宿代の30%を支払う仕組みの実験がフランスで始まったというのを報告したが1週間もしないうちにこんどは宿への宿泊代先払いという革命的なアイデアを打ち出してきました。
55のゲストハウスは通常の旅館業の許認可で稼働していますが一部をエアビー社から民泊として貸し出している複合スタイルです。
通常のホテル旅館民宿などの場合お客様が払った宿泊代金がどのように宿に入るのかをまず書いてみます。
宿泊予約を受ける場合は現在は大手の宿泊予約サイトからほとんどが来ますので予約サイトの支払いを比べてみましょう。
大きく分けて3種類に分かれます。
A現地でお客様が直接宿に支払う
B予約時点でカードで先払い
Cお客様が先払いか現地払いかを選択できる
A現地での支払いの代表格は Booking.com です。
Cはエクスペディアと国内の楽天などの予約サイト
細かくいうとブッキングドットコムも最近になって先払いを始めたり、アゴダが現地払いを導入したりしましたが現時点ではまだ上記の分類で良いと思います。(55は管理画面でブッキングドットコムの先払いを出来ないようにしています。)
A 現地での直接支払いは最も判り易い例で宿はお客様から現金で支払いを受ければお金が入るという事になります。
その中から毎月予約サイトへ手数料を後払いします。
ゲストハウスでは今もクレジットカードでの支払いを受けない宿も多いのですがクレジットカードでの支払いに成るとスクエアなどで数日後、古いカードシステムを利用していると15日締めの翌月15日払いなどどいう事もありますので入金は一月後かそれ以上後となる事もあります。
支払いの期間が長くなると資金繰りぎりぎりの宿は厳しいのが実情です。
B 予約時点での完全前払いの代表はアゴダ ですが宿側が一定の期間を経過してから管理画面上で溜まった支払い決済を手続きして銀行での振り込み経由での入金となります。
サイトでの決済手続きも判り易く半月に一度という感じで自分で決済を掛ければ1週間程度で入金に成ります。
これに対して自動的に予約ごとに数日後に振り込んでくるのがエアビー社です。
C 先払いと後払いをお客様が選べるのが国内予約サイトとエクスペディアです。この方式の場合チェックインの際に先払いしているお客様から二重に支払いを受けたりする間違いが起こりやすいので55は中途半端であまり好きではありません。
実際に楽天のお客様から二重に宿代を受け取って返金に苦労した経験があります。
さて話をエアビーの場合にもどすとエアビーは現在はお客様がチェックインして数日後に銀行への振り込みをしてきます。これは従来の予約サイトの支払いからすると非常に早くてこれでもなんの問題も無いとても素晴らしい姿勢だと55は感じています。
しかしそれに加えて「予約が入った時点で50%を先払いするよ!!」とエアビーが言い出したのには非常に驚かされました。
もちろん予約がキャンセルになれば支払いを受けたお金は返金しなければならないのですが宿泊業界の通常の感性では考えつかない発想だなと感じています。
先払いを受けるにはエアビーに1%を支払うという事ですが他の予約サイトのお客様がチェックインの時にクレジットカード決済を選んだ場合はカード手数料を約4%取られることを考えればさほど気にならない手数料ではないかと思います。
大雑把に数字を書くと従来の予約サイトを経由すると
12%~15%(予約サイト)+4%(クレジット)=約16~20%
予約を受けただけで2割弱が羽が生えて飛んでゆくと考えるとエアビーの宿泊代を従来よりも安く設定しても手取りは変わらないという事に成ると思います。
これが出来る理由の一つはエアビー利用者は一度予約が確定するとキャンセルする率が非常に低いという事があげられます。
55の宿では現在 Booking.com 経由の予約が80%程度まで来ていますがブッキングドットコムの予約の場合は出入りが多くて100件の予約が入れば30件近くはキャンセルとなり出たり入ったりを繰り返しますので先払いなど導入することは出来ないんですよね、、、
手書きで宿帳なんかで予約管理をしようものなら書いたり消したりでノートに穴が開いちゃうでしょうね、、、笑い